やり抜く大切さ

みなさんこんにちは!予備校の井上です。夏休みが終わって約1か月がたちましたが、中々暑さが引きませんね…9月は文化祭や体育祭などイベント事が多いのであわただしい月になったのではないでしょうか。

 

というわけで、イベントなどによる忙しさと受験対策の両立が、受験生にとっては課題になることもしばしば。また、当然ながら2学期に入り学校の授業や定期テストもありますので、さらに自主学習の時間は少なくなっていきます。したがって、9月・10月は想像以上に時間がないなかで受験の準備をしていくことになります。そんな時期の高校生に向けて、改めて意識すべきことを今月はお話したいと思います。

 

GRIT(グリット)という言葉は聞いたことがありますか?アメリカのペンシルヴァニア大学の心理学者アンジェラ・リー・ダックワース教授が提唱した言葉です。アンジェラ教授は、大学で研究を始める前に、世界有数のコンサルティング会社マッキンゼーに務め、そのあとニューヨークの公立中学の数学教師をしていました。少し特殊な経歴をお持ちですね。さて、アンジェラ教授が数学の先生をしていた頃、成績優秀な学生の共通点は、必ずしも知能指数(頭の良さ)や生活水準(家庭環境など)ではないことに気づきました。その事実を不思議に思い大学で研究を続けた結果、ごく単純な事実が明らかになりました。アンジェラ教授は、成功する人の共通点を「GRIT;やりぬく力」であると結論付けたのです。

 

実際に、生徒たちの知能指数とGRITをそれぞれ測り、そのうえで英単語のテストを実施したところ、GRITのスコアが高い生徒の成績が良いことが明らかになっています。さらに興味深い点は、知能指数は高いもののGRITが低い生徒の成績は良くなかったという点です。つまり、頭が良くてもGRIT(やりぬく力)が低いと、良い結果が出せないということです。

 

また、この事実は、学習だけでなくスポーツ・ビジネス・芸術など、あらゆる領域の成功者に当てはまるということも言われています。生徒も皆さんは、将来さまざまなキャリアに進むことになると思いますが、学生の今、GRIT(やりぬく力)を鍛えておけば、どのような道でも生かせる力になるでしょう。

 

粘り強さ、やり抜く力なんて、目新しい考え方でもないので「そんなこと当たり前じゃないか」と思った人もいたかも知れません。しかし、そう思う人こそ、やり抜くことの本当の大切さにまだ気づいていないかも知れませんよ。当たり前のことでも、結果につながるまで続けていくことは非常に大変で、頭で理解していても実践することは難しいものです。小さなことからでもGRITは育てることができます。みなさんも日々意識して取り組んでみてはいかがでしょうか。