守・破・離

みなさんこんにちは!匠個別予備校の井上です。寒さが厳しいですね。受験生は、ここから本当に正念場!体調に注意して、万全の状態で本番を迎えましょう。さてさて、3学期はその学年の集大成となる学期でもありますが、次年度への架け橋と言う意味で始まりの学期でもあります。よく高校2年生に対して、「高校2年生の3学期、ではなく受験生ゼロ学期」と言われます。次のステップへ進むために、3学期はしっかり準備する学期でもありますので、そのために大切な考え方を共有したいと思います。

「守破離」という言葉を知っていますか?聞いたことがある人は多いと思います。守破離とは、もともと剣道や茶道などで、修業における段階を示した言葉です。大辞泉によると、「守」は、師や流派の教え・型・技を忠実に守り、確実に身につける段階のこと。「破」は、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階のこと。「離」は、独自の新しいものを生み出し確立させる段階のことを指します。今では剣道や茶道などに関わらず、ビジネスやスポーツなどの世界でも守破離が通用すると言われ、関連書籍なども多く出回っています。ネット検索でも、本当に多くの検索結果がヒットします。実際、学力が伸びていく生徒には、守破離を身に着けていることが多いです。なかでも、「守」に徹する生徒は、ほぼ間違いなく伸びていきます。なぜでしょうか?

「守」とは、学習内容で言えば、初歩的な計算問題や公式、文法、単語などにあたるでしょう。英単語を覚えていないのに、英文が読めるはずないですよね。「長文が全然読めない、読み方を教えて欲しい」といって問題を持ってくる生徒がいますが、そもそも英単語を覚えていないだけ、ということはしょっちゅうあります。これらは他の科目にも当てはまると思います。

ここで重要なのは、学習において「守」を徹底するというのは、「やったかどうか」ではなく「出来るようになったか」で自分を振り返る、ということです。「教材を一周した」「一回やった」という生徒に、完璧かと聞くと「それは無理」と言われることもあります。やったか・やらなかったかだけを基準とする考え方は、こういう発言に繋がってしまいますね。そうではなく、できるようになったか・まだ出来ないかで振り返りをしていれば、そもそも完璧になるまでは「まだ勉強は終わっていない」と捉えるはずです。

しかし、実際、決めたことをやり抜くということが一番難しいのかもしれません。人間ですから、「出来るようになったか」だけではなく、「頑張った自分」を認めたい・認めてもらいたいという感情は誰しも持つと思います。それは全く悪いことではないですし、自分自身の努力を認めることは、自信を育てていくうえで大切なプロセスです。しかし、自分の目標に対して、望む結果を求める自分もいると思います。努力して、さらに結果が出たらなお嬉しいものです。そうであるならば、やはり振り返るときは、できるようになったか・まだ出来ないかで考えるべきですね。

あと少しやり抜けば良いところで、妥協せず努力できる自分に近づけるよう「守」の徹底を意識して頑張りましょう。